写真は心理学
写真家には大きく分けて、2つの写真家がいると考えています。
ひとつは芸術家でもう一つは商業家です。
芸術家の写真は、自分の強い理想的な写真像を持って、それを追求します。
荒木経惟先生(アラーキー)や篠山紀信先生、蜷川実花先生などが有名ですね。
圧倒的な世界観で、自分の世界に引き込みます。
自分の世界観と違う人は、どうだっていいのです。
一方の商業家は、写真に写っている被写体をPRすることが主体です。
写真を見る人がどう思うか、写真を見る人をどう動かすか、商品の魅力を
どう伝えるか・・・
「写真を見る人」を中心に置いています。
自分の世界観も大切ですが、「写真に写っている物の良さ、伝えたい事」の
方が重要です。
私は商業家なので、後者です。
「見る人」をどう動かすか、どう思ってもらうか?という写真を追求しています。
そのために、マーケティング、心理学、行動学などを勉強しています。
- 手の動き
- 背景
- 被写体の位置
人間も動物ですから、本人が無意識のうちに本能的にやってしまっている、見てしまっている
ということがとても多いのです。
本能に訴えかける写真を撮っていくとのが使える写真館の仕事です。
使える写真館をえらんでいただいた理由を聞いて、
依頼者様に言っていただいて、とても嬉しかったのが、
写真を見た時、施術されている人が見えたからです
と言っていただいたことです。
そういっていただいた写真は、治療院で先生が施術している様子の
写真でした。
なぜ、そのような写真が撮れるかというと、ポーズを取っているのではなく、
モデルさんに本当に施術をしてもらっているからです。
私が施術のポイントを聞きながら、重要だと思った施術を繰り返してもらい、
しっかりと写真に収めます。
施術の途中に「少しだけ止めてください」ということはありますが、ポーズを
取ってください。ということは絶対にありません。
被写体の気持ちがきちんと乗っていて、そして心理的に人間が見るポイントを
押さえた写真を撮れば、写真の先に人が見えます。